溺レルアナタ(1)

― ネットで書き始めたのはいつごろですか?

 

去年の初め頃から、ぽつぽつ書いてたんですけど、本腰を入れて書きはじめたのは秋頃からです。きっかけは、ベストセラー本「ブリジットジョーンズの日記」の映画化記念に、ソニーマガジンズが期間限定でオープンした「bj dairy」という日記サイトです。そこには「日記作家の人気投票を行い、上位者の日記を1冊の本にする」っていう企画があったもので。ふーん、面白そうだな、と。

実は、それまで私は、「横書き」というものに抵抗があったんです。ネット上で読むとき、日記やコラムなどの短いものは楽しめるんだけど、長いものってなかなか読めなくて。自分の文章も、ダラダラと長いものが多いので、私のような「縦書き人間」には、ネットでモノを書くっていうのは、向いてないなと思いこんでいたんですね。

 

― 本になるのが魅力だったんですね。

 

そうそう。「本にする」っていうのにつられて、ついつい日記作家登録をしてしまった(笑)。それなら、書き捨ての文章ではなく、1日1本エッセイを書くようなつもりで、ちゃんと書こうと思って。そうやって3ヶ月間ほぼ毎日必死に書き続けていたら、なるほど、横書きには横書きの、ネットにはネットならではの表現方法っていうのがあるものなんだな、と、目からウロコが。

だったら、指をくわえて眺めているだけじゃもったいない、と、一気にネットになだれ込みました。

 

― ミメイさんはあちこちの書き物サイトで見かけますが、今はどこでどのくらい書いていらっしゃいますか?

 

えーっと。そのー。すみません。今は、かなりサボってます。この半年近く、本にする原稿と格闘していたもので。続いているのは、「Webゴザンス」のコラムと、この「タブロイド」の短編とコラム。これだけは、編集者さんが「優しく」催促してくださるもので(笑)。

 

― いや、あの…(笑)。

 

それまでは、「web本の雑誌」の新・三角窓口とか、「文学メルマ」のリーダーズ・エッセイとか、いくつかのインターネット書店での書評とか、ほんとうに、あちこちで……。でも、基本的に、「編集者が採用の可否を決める」書き物サイト中心に書いてきました。「真剣に取り組まないと採用されない」っていうのは、書く上で、良い刺激になるし、勉強にもなるし。モノカキを目指している方には、お薦めの修行方法かも。

 

自分の裁量だけでアップしているのは、日記が2つと、書評サイトの「review japan」くらいでしょうか。あ。あと、ポプラ社の「作品市場」にも、作品をアップしています。ここは、月ごとにアワード(賞)が発表されるので、励みになります。いまのところ、毎月何かしらのアワードを頂いてます。といっても、何か貰えるわけではないんですけどね(笑)

 

― 書いたものに対して感想を受け取ったりすることはありますか。

 

あります。あれは、ほんとに嬉しいものですね。 最初にレンタル日記を借りたときは、ただ詩とかエッセイを「置いておく場所」にしてたんです。友人知人にも公表せずに、ひっそりと。

 

というのは、知り合いとかだと、どうしても遠慮があったり、義理があったりで(笑)、あれこれ気を使ったコメントになりがちですよね。そうではなく、作品に対する純粋な感想を聞いてみたかった。だいたい、どこの誰とも分からない素人が書いた作品に、わざわざ感想を送ろうなんていうのは、よほど何かを感じたときにしかしませんよね。良きにつけ、悪しきにつけ。 だから、そこで頂いた感想は、本当に嬉しかったですね。 そうやって「感想」というものの「有り難さ」を実感したので、今では、アップした作品を自ら宣伝するようになりましたけど(笑)

 

あと、管理者が採用の可否を決めるサイトなどは、その連絡を通じて、ひとこと感想を下さる方もいて、なんだか得した気分になります。「作品市場」には、作品ごとに「感想掲示板」というのもありますし。素人でありながら、ファンレター(メール)を頂けるっていうのも、ネットならでは、ですよね。 (→つづき